地球の環境問題 

(財団法人国際文化交友会 ルナカレンダーより)
                        地球をめぐる水

水の惑星といわれる地球には、約13億8600万キロ立方メートルの水があるといわれています。海や川、湖、地下水など身近なものの他、北極や南極といった緯度の高いところや高い山の上では1年中氷の姿で、また空気中には水蒸気となって含まれています。
 地球の水のうち97.5%(約13億5100万キロ立方メートル)は海水で、そこから年間45万キロ立方メートルの水が蒸発しているそうです。海水全体の3000分の1でしかありませんが、私たちが利用できる水(淡水湖、河川、浅い地下水など)の13.5万キロ立方メートルと比べると3倍以上の量です。こんなに蒸発すると海水が減ってしまいそうですが、地球の水は海面から蒸発して上空で雲となり、やがて雨や雪となってまた地上に戻るという循環が繰り返されており、海へも河川や極域の氷がとけて流れ込んだりして、一定量が保たれてきました。ところが近年、海に流れ込む水の量が増え、海水面の上昇が問題になっています。


                    生命を育む海と海洋汚染
約46億年前にできた地球では、40億年前に原始の海ができ、そして38〜36億年前に海の中で最初の生命が生まれました。当時の海水には地球上に現存する最初の元素の60〜80種類が溶け込んでいて、海水の主要成分は38億年間変化していないといわれています。そして私たち人間の血液の成分も海の成分と似ているのですから、地球の歴史を脈々と受け継いできたような不思議な気がします。この私たちの母なる海が汚染されています。
 海を汚染する物質のトップは油です。中でも船舶から出る油が約8割を占めており、取扱いによる不注意によるものを筆頭に、故意そして海難による流出が続いています。また油以外による汚染では廃棄物が最も多く、その大部分が故意による投棄です。割合は少なくても有害物質も海を汚しています。例えば電気機器などに使われたPCB(ポリ塩化ビフェにール)は現在は大多数の国で製造を中止していますが(日本は1972年に製造を中止)、不法投棄などによって未だに海洋に広がっており生物への影響が懸念されています。


                     海面上昇と陸地の消失
南極、北極などの高緯度地方、永久凍土や氷山、高い山の万年雪や氷河など、地球の氷が解け続けています。地球温暖化白書によるとグリーンランドの雪の体積面積はこの数年で20%減り、20世紀までの百年間で世界の海面の水位が17cmも上昇したそうです。海水温があがれば、海水が膨張して更に海面が上昇します。海面が上昇しますと、その分陸地が消失します。2℃の上昇で海面が50cm上がるといわれ、1mの海面上昇で砂浜の90%が失われるという予測があります。1m上昇すると日本では海の下にもぐってしまう土地が役2300`平方メートルもありその面積に現在410万の人が住んでいるそうです。残念ながら今のような温暖化が続いてしまうと100年後には、地球の平均気温が最大5.8℃上昇し、海面は今世紀末までに平均0.3〜1.1m高くなるという予測もあります。日本の海岸はどうなるのでしょう。南太平洋にある、海抜が最大で5mのツバルは世界で最初に沈む国といわれていて、すでに他国への移民などが検討されています。