農林業の果たす役割環境問題

                                                 

地球環境問題
                   森林の働き                           
植物は日光のあたり方や気温、雨量、土壌など環境の違いによって成長が違います。森林について地球全体でみてみると生育に好条件な赤道付近を中心に熱帯林が、ほぼ東西に広がって分布しており、さらに極地に向けて温帯林、寒帯林が広がって、それぞれが生物の生態系を支えています。
 まず森林は、動物はもとより植物にも生息地と食物を供給します。又多くの生物が酸素を吸って呼吸していますが、その酸素は植物が光合成を行うときに排出するわけですから森林は酸素の供給源にもなっています。さらに降った雨水を葉や根に蓄え、少しづつ放出する巨大なダムの働きもしています。川は山でなく森から流れ出ます。そして、森も水蒸気を出して雲をつくりますから、海と同様に雨を降らせる働きを担います。
 森に住む動物の死体や糞、落葉や枯れ枝などは微生物が分解し、肥沃な生きた土を作ります。山すそに広がる平野はこの土を川が運んで堆積して形成されたものです。                       (財団法人国際文化交友会 ルナカレンダーより)

環境汚染
                     海洋や河川の汚染
雨が降り、川となって海に注ぎ、海水が蒸発して雲ができまた雨が降るという太鼓から地球上で繰り返されている水の循環は、その過程で膨大な量の物資を溶け込ませ、運んできました。しかし、それはもともと自然界に存在した物資あり、自然が許容していたものでした。ところが18世紀の産業革命以後、人間の活動によって余分なものまでが排出され、水に溶け込んで循環するようになってしまいました。例えばDDTやPCB、ダイオキシンといった科学物資ですが、こういった人工物は自然分解しないため河川や湖沼など広範囲を長時間にわたって汚染します。そして最終処分場の機能性が高い海(海水や海底)に流れ込んで蓄積され、食物連鎖を通して海用生物に汚染を広げるのです。忘れていけないのは、連鎖の上位の生物ほど汚染物資が高濃度に蓄積(生物濃縮)され、食卓に並ぶそれを人間が食べるということです。  (財団法人国際文化交友会 ルナカレンダーより)


地球規模の環境問題

                   環境汚染ーーー酸性雨
100年以上前、イギリスではすでに煤煙に汚染された強い酸性の雨が降ることが知られ酸性雨と呼ばれていました。けれども酸性雨は1950年まで忘れ去られ、人々が再び思い出したのは、、北欧で多くの湖水で酸性化し魚が消え、カナダで森林が枯れたことによってでした。そこは大工業地帯から汚染大気が吹き寄せる場所でした。しかし雨滴は、大気中の二酸化炭素を溶かして降ってくるので、きれいな雨でも酸性度(PH)5,6の弱酸性です(ですから5,6以下の数値を出す雨が酸性雨です。)そのためなぜ魚が消え森が枯れるのか皆目わかりませんでした。
 酸性雨の犯人は化石燃料(石油や石炭)を燃やすことで発生する硫黄酸化物や窒素酸化物です。これらが大気中で反応して雨滴を硫酸や硝酸に変えてしまいます。そのため植物の葉や農作物に直接被害を出し、土壌を変質させ、いろいろな物を有毒化するのです。
              (財団法人国際文化交友会 ルナカレンダーより)


オゾン層の破壊

成層圏では20Km位の厚さで層を形成してます。この重要な働きをしているオゾンの減少がわかったのは1970年後半のことでした。減少が特に激しいのは南極上空で、毎年春(9〜10月)にオゾン層に穴があくオゾンホールが観測されています。ホールが出現すると、地表面に直接届く有害紫外線の量が増えます。オゾンが1%減ると有害紫外線は二%増えるといわれており、皮膚がんの発生が今より5パーセント増え、他に眼病の増加の危険性が指摘されています。今では南北両極や北半球高緯度地方上空でもオゾン層の減少が確認されており、ホール出現の回数や持続時間ますます増える見通しです。

    オゾンホールを抜けた強力な紫外線が生き物のDNAを破壊
               (財団法人国際文化交友会 ルナカレンダーより)

 地球環境を考える


                     

              日本は世界最大の木材輸入国

日本は国土の66%が森林を占める世界でも有数の森林国ですが、その内の約40%は人工林です。第2次世界大戦のあと大量の木材需要に応えるため短期間で成長する杉やヒノキなどの針葉樹を大規模に植林したからです。
 しかし1950年代から熱帯雨林の木材を輸入するようになり、以後安さもあって急速に増加しました。日本は今も世界一の木材輸入国で輸入木材の内約15%が熱帯林です。
 一方で1955年に94.5%あった木材の自給率は1988年には30%を割り2000年には18.2%にまで減ってしまいました。この間林業に従事する人の数も約6分の1に減り、新しく従事する人も少ないまま、今や65歳以上の人が全体の29%にも達しています。人工林は下草を刈るとか、間伐や枝を払うなどの手入れが必要です。しかし現状は放置された森林が少なくありません。
 熱帯林を保護する上で国内林の管理や活用の仕方を考える必要があります。

                       (財団法人国際文化交友会 ルナカレンダーより)

内海ぶどう園TOPページに戻る